金魚の美しさ

 観賞魚はその美しい姿を楽しむものです。金魚も当然そうですが、それが行き過ぎてしまうのはどうかと私は思います。美しい金魚が高値で売買される一方で、その美しさを認めてもらえない金魚たちはぞんざいに扱われるのが常だからです。
 特に金魚は、そのような魚にとっての“天国と地獄”がはっきりと分かれているように感じます。
 “エサ金”という金魚がいるのを皆さんはご存知でしょうか。これは金魚の専門店というよりは熱帯魚店でよく売られているものです。この金魚は品種名ではなく、購入目的によってこのような名前で呼ばれているのです。つまり、“エサ金”は肉食性観賞魚の生餌として売られているのです。本来の品種名は和金といいます。エサ金がすべて和金である理由については、その丈夫さであるのか、他にビジネス上の理由があるのか、私には分かりません。
 こうした“エサ金”が売られているのをみると、金魚を飼育している者としては少し切ないような気がします。金魚の愛好家でも、自分で親魚から子どもを取るような方は自身で“選別”という作業を行っていると思うのでそれほどではないかもしれませんが、私のような素人の愛好者はなかなかそのように割り切れないものです。
 “エサ金”に限らず、金魚のなかでは品種の特性として固定されていない形質を持つものも、低いものとして扱われます。そればかりではなく、後天的に傷がついてしまったり、ヒレが折れてしまったりしても同様です。
 金魚が観賞魚である以上、こうした扱いを受ける金魚が存在することは仕方のないことであるとは思います。それに私がお店で気に入った金魚を購入するという行為も選別の一種であるとも思います。それでもやはり、行き過ぎには注意するべきです。
 我が家で現在飼育している金魚は、金魚すくいでとったものから、一匹5980円で購入したものまで様々です。様々な品種の様々な色合いの金魚が混泳していてとてもきれいです。一匹一匹はそれほど高いものではありませんし、傷やヒレの折れなどもあるので価値のある魚ではないかもしれませんが、全体として見るととても美しく見えます。現在、私はこうした状態に非常に満足しています。そして、たとえ安い金魚でも工夫することによって充分に楽しめることが出来るのだと私は考えています。